校長挨拶
Principal’s Greeting
令和7年度のはじまりに思いをよせて ~「今年の桜」に感動しながら~
4月8日、根尾谷の淡墨桜が満開となり、本校の子どもたちが多くの観光客に向けて桜ガイドを行いました。
最も印象深かったのは、子どもたちと観光客が、美しく咲き誇る淡墨桜の圧倒的な存在感に心を奪われながら、笑顔で会話をしていた姿です。手にしたタブレットや資料を活用しつつも、何より「本物の桜」を目の前にして感動を分かち合う姿に、ガイドの真髄を見たように感じました。
桜ガイドには技術も必要ですが、それ以上に大切なのは、ガイドする子ども自身が、桜の美しさに心の底から感動することです。伝聞から得た知識ではなく、自身の五感を使ったリアルな経験が、淡墨桜の魅力を語る力になるのです。
根尾地域に長く住む方々は、「毎年淡墨桜の表情は違う」と語ります。樹齢1500年を誇るこの桜の木は、気候や環境の影響を受け、咲く時期や枝葉の形、花びらの開き方が毎年異なります。昨年の桜を見たからといって、「今年の桜」の表情は分かりません。この瞬間、目の前に咲く桜こそが「今年の桜」なのです。
子どもたちが本物の桜を目の前にしてどんな感動を味わったのか、そして、その感動を観光客にどう伝えたのかは想像に難くありません。桜ガイドの後に披露したオカリナの演奏も、多くの観光客の心に響くものでしたが、最も感動を味わったのは、桜の木の下でオカリナを奏でた子どもたち自身だったと思います。
根尾学園では、自ら考え判断し、行動を起こす児童生徒の育成を目指していますが、その原動力は「感動」であると信じています。
この4月、「本巣市こどもの権利条例」が施行されました。ここで掲げられている「自分の学校は自分でつくる ~『自分』を認めてもらえる権利~」の理念を根底に置いて本校の教育を進めてまいります。
「自分の行動で学校を楽しくすることができた」「自分の行動が社会を変える力になるんだ」
そうした「実感」をすべての子どもがもてるよう、全力を尽くす一年にしたいと思います。
「今年の桜」を心に刻みながら。
令和7年4月 根尾学園校長 安江政利
令和7年度 根尾学園 教育構想( pdf, 4,040KB )