本巣市立根尾学園 本巣市立根尾学園 令和4年4月1日、根尾小学校と根尾中学校が一緒になり、根尾学園が開校いたしました。

校長挨拶

Principal’s Greeting

ふるさとを愛し、仲間と共に未来を切り拓きたくましく生き抜く児童生徒

~自立・共生・創造~



さらなる義務教育学校の挑戦

未来に向かう学校をつくる


開校から1年。児童生徒と教職員が一丸となって、未来に向かう学校を目指して日々、精一杯の努力をしてまいりました。新たな学校を創るということは並大抵のことではなく、様々な困難が立ちはだかりました。しかし、児童生徒も教職員もそれぞれの考えを出し合い、対話を通して、みなで掲げた理想を具体的な姿にして実践を進めてきました。対話で明らかになってきたことは、「ウェルビーイングが位置付く学校」を築くということです。教職員、そして、子供たちが幸せや充実感、達成感を感じながら日々、実践を進めることが学校経営の基盤になることを改めて強く感じています。

これまでの実践を続けていくだけでは、学校の進展はありません。現況に満足することなく質の高いものを求め続けるために、改革を進めていくことが重要です。公立学校は様々な制約があります。新たな研究や実践を始めようとしても、様々な壁が立ちはだかります。しかし、「突破口はあるはずだ。」という思いを持ち続けています。教育委員会とも様々な対話を続け、子供たちのがんばり、教職員の必死な努力を伝え続けていけば、光はみえてくると考えています。

「自分で考え、自分で決めて、自分から動く」。こんな子供たちを育てていきたいと思います。本校の教育目標は、「ふるさとを愛し、仲間と共に未来を切り拓き、たくましく生き抜く児童生徒」。本校の最上位目標は、『たくましく生き抜く児童生徒』。私たちがこの最上位目標を常に念頭において日々の実践に努めていくことが重要です。「今、私たちの取組は、最上位目標につながっているのか」「この研究は、たくましく生き抜く児童生徒を育成することにつながっているか」というように私たちがブレない実践を積み上げていくことで、学校の教育目標を実現することになると考えています。

私は、令和5年度次の3つの重点に注力して学校経営を図ります。


1児童生徒、教職員のウェルビーイング

児童生徒も教職員が今の学校生活に喜びや幸せ、安心・安全を感じていなければ、求める学校などできないと考えています。「教職員全員が42名の児童生徒の担任である」という自覚をもって、児童生徒一人一人の支援者となってかかわり続けていくことが、安心して学校で学べる土台になると思います。さらに、子ども同士が仲間の個性を認め合い、受け入れながら共に支え合う姿を求めていきます。こうした関係性になるためには、やはり「対話」が重要です。児童生徒も教職員も自分の思いや考えを伝え合い、理解し合うことを基盤としたいと考えています。こうした温かさに包まれた学校になれば、ウェルビーイングが位置付いた学校に成長していくと確信しています。


2探究学習を核とした学びの実現

「自分で問いをみつけ、自分で考え、判断し、解決する営み」を重視しなければ従来の授業から脱却することはできません。よく教育は150年間変化を遂げていないとも言われています。「子供が前をみての一斉授業。教師から教えてもらう学び…」こうした学びからの脱却しなければ、いつまでたっても自律した学習者にはなりません。

昨年度は、総合的な学習の時間「かがやき科」「ふるさと科」で本物の探究学習はどういうものか模索してきました。自分の強みや可能性、夢などから、自ら探究する内容を決定し、とことん追究する姿勢を貫いた「かがやき科」で、教師は共同探究者としての姿勢を貫きました。共に学びを深める研究共同者としての実践は、子供たちが自ら学ぶことの喜びを実感し、途中で学びを止めることは決してありませんでした。その1年の学びを披露した「かがやき科発表会」での子供たちの会心の実演は多くの観客の心を揺り動かしました。さらに、3年生から取り組んでいる「ふるさと科」。根尾を持続可能なふるさととなるよう、根尾のよさや素晴らしさに目を向け徹底的に調べ上げ、発信していく取組を続けてきました。かべ新聞、パンフレット、商品化という様々な表現方法によって発信し続けました。こうした子供たちの努力は、かべ新聞コンクールの入賞といった成果にもつながりました。こうした「かがやき科」や「ふるさと科」の成果からもわかるように、いかに探究学習が子供たちの高次の学力を育成していくかが見えてきました。

さらに、今年度は気付きの質を高める学び「生活科」も探究学習とつなげ、9年間の探究の学びについて明らかにし、カリキュラムを編成していきたいと考えています。また、1年生から教科担任制で実践している本校の強みを生かし、探究学習と各教科学習とのつながりも強化したと思います。当然、教科学習でも「自分で問いをみつけ、自分で考え、判断し、解決する営み」を重視するために、探究的な学習の位置付けや自由進度学習などの手法も取り入れながら、教科の授業改善を図っていく予定です。


3子供たちの命を守り抜くために

子供たちが根尾学園で心豊かに、穏やかに成長してほしいと願っています。先ほどのウェルビーイングにつながることでもあります。校内の安全点検はもちろんのこと、子供たちに寄り添いながら、子供たちの心の状態、悩みや不安などを即座につかみ最善の対応を考えながら進めます。

また、命を守る訓練の充実、SOSの出し方教育、心のアンケートを充実させて、自らも命を守りぬく重要性を考える機会も充実したいと考えています。


本巣市立根尾学園

校長 薄田茂樹